そもそも、上でお話した世界基準は、IOC(International Olive Council)という国際機関が定めた基準です。
でも、日本は、そのIOCに加盟しておらず、その代わりにJAS(日本農林規格)の基準に合わせてオリーブオイルを区分けしています。
この基準の違いが問題で…
IOCはオリーブオイルを酸価・酸度・風味などにより、9つに細かく分類しており、「エキストラバージンオリーブオイル」はその中でも最上級のオイルの呼称です。
それに対し、JASは、オリーブオイルを「オリーブオイル」と「精製オリーブオイル」の2種にだけ分類しています。
そう、もともと日本は、「エキストラバージンオリーブオイル」という分類(定義)は設けていません。
え、じゃあ、日本の「エキストラバージンオリーブオイル」と記載のあるものは何なのか?
ってことですよね。
その秘密をお話しすると…
2つの基準の最大の違いは酸度です。
IOCの基準が0.8%以下のオイルだけを「エキストラバージンオリーブオイル」と認定しているのに対して、JASの「オリーブオイル」の基準は2.0%以下に分類されています。また、JASには風味の評価区分もありません。
簡単に言えば、酸度が2.0近くのオリーブオイルであっても、日本では定義がないので、「エキストラバージンオリーブオイル」と名乗ってもOKということになります。
そして、さらに…
昨今、海外でのエキストラバージンオリーブオイルの偽造も問題と言われており、イタリアでは、70%が偽造品と言われています。要は、販売に至る過程であらゆる業者が介入し、利益のために安いオイルを混ぜたり、化学処理を施している可能性があるということです。
だから結局、日本にしても海外にしても、“本物”を見極めるのが難しいというのが現状だということなんです。